登録販売者の花子です。
ドラックストアで想定されるクレームについて、書いていきたいと思います。
特にレジで、お客様から小言を頂くコトが多いです。
今回は、クレーム応対にビクビクしている方、また「ドラックストアに転職したいけど…工場務めからは無理かしら?」と思っている人向けにブログ記事を書いてみようと思います。
他の業者から小売業店に転職して、応対にビクビクしがちなのがクレーム応対。アルバイトやパートでの勤務ならなおさら。
どこまで首を突っ込むべきなのか悩むものなのです。
クレームとは
クレームとは、苦情、請求を指します。
購入した商品・サービスに意見や不満をもつ顧客が、それを提供した企業に対して問題点を指摘したり、苦情を述べたり、損害賠償を要求したりする行為をクレームといいます。
クレーム処理の3段階
まずは、クレーム処理の流れを3段階に分割してみましょう。受付、傾聴、対処の3つに分けることができます。
- 一次対応(クレーム受付・取次ぎ)
- 二次対応(傾聴&理解)…社員
- クレーム処理(対処)……社員
お客様は誰にクレームを言うのでしょうか?
①レジで値引きミスがあったら、当然レジ担当に言います。
②昨日、購入した商品の賞味期限が切れていた場合、これも入り口から一番近い店員に訴えてくる可能性があります。
クレームを訴えた時、たまたま接客担当した店員が一次対応を行うことになります。
そのため、たとえバイト(パート)であっても、一次対応をしなければなりません。お客様は、たまたま居合わせた店員にクレームを言うのです。
お客様にとって、アルバイトやパート、社員などという諸事情は、全く関係ありません。
そこにいる人が「お店の人」「会社の人」だから、その人にクレームを訴えるのです。
そうはいわれても、パートやバイトの立場でどう対応したら良いのか、不安になる人もいるでしょう。
クレーム対応:一連の流れ
一般的なクレーム対応マニュアルに掲載されているであろう『クレーム対応の一連の流れ』を確認してみましょう。
①感情の受け止め
⇓
②傾聴する
⇓
③要望を訊く
⇓
対応可能か?
⇓
④感情の受け止め/約束OR
⑤提案/エスカレーション⇓
⑥情報共有
クレーム処理はこんな流れになっているらしいです。
クレーム対応マニュアルの一連の流れなどを確認すると、クレームマニュアルは、社員向けに作成されているものと割り切った方が、合点がいきます。
では、アルバイトやパートで社員でない者は、クレームを受付けて、どう対処すればいいのでしょうか。
クレーム対応は高いスキルが必要
上記のマニュアルに記載されている『クレーム対応の流れ』では、どの部分まで、パートやアルバイトが行うべきか…。明確になっていません。
その上、クレーム対応マニュアルには、「お客様の立場になって、しっかりお客様の話を聞きましょう」と書いてあります。
そのため、アルバイトやパートであっても、上記の流れを参考して、①感情の受け止め…②傾聴をしてから、責任者にバトンを渡しがちになります。
しかしアルバイトやパートには、値引きする権限も、お会計をやり直しする権限も、商品交換する権限もありません。
それなのに責任者にバトンを渡さず、パートがお客様の言い分を聞くことが善意と思い込み、散々聞いた挙句、受付担当者に処理権限がないとわかると
「お前では、話が通じない責任者を出せ!」となります。
そこで責任者に、もう一度、一からクレームの話をし直しさなければならないことで、お客様はイラっとしてしまいます。
こんなイラッとした感情がヒートアップすると「さっきの奴に言っただろう。」と2回同じことを話すことに、お客様は苛立ちを感じてしまうのです。
クレームは、自分ひとりですべて対応しなければならないというわけではありません。むしろ、自分で勝手に判断すると問題が大きくなるおそれがあります。
特にクレーム応対は、お客様の話から内容や状況把握する高いスキルが求められます。
パートやアルバイトが『クレームの内容と状況の把握』しようと変に頑張るから、問題が大きくなることがあるのです。
クレームの初期応対で心がけたいことは、
すぐに社員や店長など、適切な対応ができる店舗責任者に、お客様を取次ぐことが大切なのです。
では「パート・アルバイトは、クレームを訴えられたら、どこまで関わり、どこで責任者に取次ぎをするか」これについて考えてみたいと思います。
責任者でない者のクレーム対応
アルバイトやパートは上記のクレームの流れから考えると
①感情の受け止め②傾聴…よりまえに、バトンを店舗責任者に渡す必要があります。
アルバイトやパートはクレームの受付と責任者(社員)への迅速な取次を行うべきなのです。
これにより、クレームを訴えるお客様の『①感情の受け止め②傾聴』を社員がスムーズに行えるようバトンタッチすることできるのです。
一刻も早く引継ぎを行う。これこそが、一時対応する者の(アルバイトやパート)応対です。
しかし、このあたりをマニュアルでは明確にしていないために、初期処理が悪くなり、お客様の怒りが、炎上してしまうことがあります。
お客様がクレームらしきことを訴えてきたら、話の腰を折ってでも
「さようでございますか。
お客様。
ただいま責任者に取り次ぎいたします。
恐れ入りますが暫く、
おまちくださいませ。」 と言って、自分は話を聞く担当ではないことをアピールしましょう。
お客様も、偉い人、話の分かる人に対応してもらった方がいいのです。
自分一人で、ビクビクしながらクレームを背負わなくていいのです。
店頭でのクレーム受付は、バレーボールのセッターのようなもの。的確にトスを上げ、決めてもらえる人にパスをまわすことが最良なのです。
何度も、この記事で述べましたが、「クレームの初期応対で心がけたいことは、すぐに社員や店長などの適切な対応ができる店舗責任者に、引き継ぐことが大切」なのです。
参考までに、ドラックストアでは、どんなクレームの種類があるのか確認してみてみましょう。
ドラックストアのクレームの種類
ドラックストアを含む流通業界では次のようなクレームがあると考えられます。
- 価格
⇒広告POPの外し忘れ、プライス価格とレジ価格の誤差 - 商品
⇒破損・よごれ・賞味期限切れ・保障 - 欠品
⇒広告商品の欠品 - 接客・サービス
⇒言葉遣い・応対・みだしなみ - レジ
⇒二重打ち、値引き漏れ、袋入れ忘れ - その他
⇒雨で床が滑る、店内通路を台車がふさぐ
クレーム対応については、各社でマニュアルがあります。
不安であれば、パートやアルバイトのクレームの応対時の役割を店長や社員に聞いて、明確にしておきましょう。
速やかに責任者に取り次ぐ流れを知っておくことはとても重要です。わが身を守るためにもクレームマニュアルは一読しておきましょう。
通説?レジ周りの汚れた店
「レジ周りの汚れた店の店長は指導力も低い」という、流通業界および飲食業界の通説があります。
店内の清掃が行き届いてない、商品が乱雑であるといった目に見えて悪い部分があると「クレームをつけやすい店舗だ」と見られるらしいのです。
特に、レジまわりをいつも美しくしておくこと。これは、「クレームが無ない店舗づくり」の近道だと言われているそうです。
日頃から清掃をしておき、商品をきちんと並べてて、心地よくお買い物いただく環境にしておくことは、あらかじめクレームを防ぐことの第一歩でもあります。
さいごに
今回は、クレーム応対にビクビクしている方、また「ドラックストアに転職したいけど…工場務めからは無理かしら?」と思っている人向けにクレーム応対の記事を書いてみました。
話はそれますが、
私は発達障害と認定されています。でも、ドラックストアで働いています。
私は、障害判定の結果、「人の言い分を受け止めたり、論理的に説明することを苦手としている」と診断されています。
そのため、クレームは自分で背負わず、即、取次をすることにしています。
お客様としても、早めに店舗責任者に取り次いで対応してもらった方が、話が通じて、立腹度合いが少ないような気がします。
実際のとこと、クレームの初期対応にあたったパートさんやバイト君の、対応不備で、ご立腹されるお客様が、かなり多いです。
きっかけは、たいした内容でなくても、ご立腹が炎上してしまうことがあるのです。
アルバイトやパートで働くなら、早めに店舗責任者に取り次いでクレーム対応してもらうこと。これに徹した方がいいです。
社員以外、アルバイトやパート専用のクレーム対応マニュアルも、店舗ごとに準備してほしいと常日頃、思う花子です。